STORY
Written by 上田亮

LONG INTRODUCTION

2014年から約9年過ごした市内中心部のビルの取り壊しが決まってから、物件探しに2年ほどかけてようやくたどり着いた少し北の工業地帯の端っこ。先にオフィスを移し、そこからお店の準備に1年半。紆余曲折ありながらもようやく2024年8月末、たくさんの方の力をお借りしながら無事にオープンとなりました。北海道はもう夏の終わり、デザイン事務所としての業務をこなしながら、ショップとカフェのオープン準備を同時に進める日々は想像していた以上のハードなものでした。ここ数年はスタッフ含めこのお店に情熱を注ぎ続けてきたこともあって、非常に感慨深いオープン日、たくさんの友人や知人が来てくれたことで、その賑やかさでようやくオープンしたことを実感しました。ささやかな打ち上げの後、すぐに課題の改善に取り組みます。そう、オープンは終わりではなく始まりなのだと実感しています。

 

思えば、お店をスタートすると最終的に決断したのはこの場所にたどりついた結果ではありますが、随分前からいつかお店を始めようと考えていました。記憶を遡ってみると2017年にスウェーデンに滞在した際、フィンランド・アラビア社の大好きなRuskaシリーズを個人から買い付けて回りました。2019年にはパリの見本市メゾン・エ・オブジェやストックホルムのFORMEXを訪れ、MOEBEやEldblå、SALA’S HELSINKIなどたくさんの素敵なブランドと出会いました。また、国内でもSiri Siriの岡本さんや西本良太さんに出会ったのはもう10年以上前のことで、当時強く感銘を受けていつかお店ができたら扱うんだと心に決めていました。まだお店も無いのに。だから、この店で皆さんに紹介する商品やブランドは、これまでずっと少しづつ少しづつ集めてきた僕のコレクションのようなもの、自分も実際に使っているものもあったり、ずっと憧れていたものもあります。すべてが本当におすすめしたいものばかりで、大袈裟に言うと自分の分身が並んでいる感覚すらあります。

 

ウェブサイトもローンチしたので、STORIESの文章とイントロムービーの写真で、自分たちの考えや日々について、ゆるーく伝えられたらと考えています。ということで、まずはブランドストーリーを伝えるイントロムービー用に今回選んだ6つの写真について。

 

2016 / Stockholm

ストックホルムSödermalmの最も賑わうストリートGötegatan。このストリートは南エリアでは最も賑わう場所で、以前Cafe Physicalで提供していたDrop CoffeeeKonst-igErika Pettersdotter Keramikなどもこのエリアにあります。

 

2018

ストックホルムの北西のスキーリゾートがある街の友人のサマーハウスにて。スウェーデンのレシピ本はだいたいハードカバー、本が高いスウェーデンでは立派なものを買うのは勇気がいります。レシピ本は一生物で、親から子へと受け継いでいくという考えは背中を押してくれます。

 

2023

ストックホルム市立図書館はグンナール・アスプルンドの設計で有名な建築。何度訪れても新しいディテールの美しさと出会える場所。このアングルはこの時見つけたもの。

 

2023

スウェーデンの森は潤っていて、歩くとふかふかとした苔で覆われています。秋にはきのこ狩りに出かける人も多く、特に黄色いKantareller(アンズ茸)はスウェーデン人が最も好きなきのこ。バターで炒めたり、トーストに乗せたりして食べるのが秋のたのしみ。

 

2023

ストックホルムの街を車で進む。ストックホルムにばかりいると気づかないかもしれないけれど、ヨーロッパの街を訪れると、それぞれ違っていて、中でもストックホルムは緑が多く、心地よくて絵になる街。

 

2019

これまでスタジオではイタリアからはインターンを3人受け入れました。彼らに会いに訪れたイタリアミラノにあるFondazione Prada(プラダ財団)。アートも建築も最高の場所のひとつですが、カフェはウェス・アンダーソンのデザインと聞いて、なるほどと思った。

今後、STORIESでは、WONDERINGやCOMMUNEに関わる日々や札幌・北海道のおすすめの場所などについて少しづつ記して行きたいと思います。 

 

Ryo Ueda

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